2009年~2023年までのアメリカザリガニ駆除

2009年9月9日に、神奈川県立生命の星地球博物館のご指導によりアメリカザリガニ駆除の意義と

駆除方法の講習をしていただき、以来、黒川谷ツ公園内で駆除活動をしてきました。

この15年間の「アメリカザリガニ駆除作業」について簡単に記載します。

 

環境:総面積1254㎡の5枚の水田(約40年前まで稲作が行われていた休耕田)

 

・2009年9月~12月 作業回数(19) 駆除合計(1483)平均駆除数(駆除数/回数):78.1

・2010年1月~12月 作業回数(67) 駆除合計(7471)平均駆除数(駆除数/回数):111.5

・2011年1月~12月 作業回数(75) 駆除合計(6018)平均駆除数(駆除数/回数):80.2

・2012年1月~12月 作業回数(68) 駆除合計(4978)平均駆除数(駆除数/回数):73.2

・2013年1月~12月 作業回数(74) 駆除合計(5508)平均駆除数(駆除数/回数):74.4

・2014年1月~12月 作業回数(74) 駆除合計(5710)平均駆除数(駆除数/回数):77.2

・2015年1月~12月 作業回数(77) 駆除合計(5928)平均駆除数(駆除数/回数):77.0

・2016年1月~12月 作業回数(72) 駆除合計(4074)平均駆除数(駆除数/回数):56.6

・2017年1月~12月 作業回数(76) 駆除合計(3609)平均駆除数(駆除数/回数):47.5

・2018年1月~12月 作業回数(66) 駆除合計(4236)平均駆除数(駆除数/回数):64.2

・2019年1月~12月 作業回数(48) 駆除合計(5297)平均駆除数(駆除数/回数):110.3

・2020年1月~12月 作業回数(67) 駆除合計(4948)平均駆除数(駆除数/回数):73.8

・2021年1月~12月 作業回数(62) 駆除合計(2398)平均駆除数(駆除数/回数):38.7

・2022年1月~12月 作業回数(48) 駆除合計(2067)平均駆除数(駆除数/回数):43.0

・2023年1月~12月 作業回数(66) 駆除合計(4474)平均駆除数(駆除数/回数):67.8

 

 

はじめは、絶滅したい!との思いで開始したしたこの作業、10年経過してもアメザリは、いなくならなかった。

捕っても捕ってもアメザリが減ることはなかった。

徒労? 無駄? 自己満足? アメザリ駆除作業の継続は何だったのか?

変化は何もなかったのか?・・・・・・何か変わったことはなかったのか? 

この作業を継続したことで、どんな変化が見られたのかを簡単に記載します。

 

 

アメザリ駆除作業をしながら同時に行ったモリタニング結果から読みとれるものは何か?

 

 ①水生生物の種数及び数が増えた

  2009年(10種類) 2010年(18種類) 2011年(24種類) 2012年(27種類) 2013年(28種類) 2014年(31種類)

  2023年(40種類)

    

 ②2014年まで確認できた水性生物数

  その種数は、2011年夏以降復活を感じさせ大きく変化した。

  特に大きな変化を見せたものを記載すると、

   ・シオカラ系トンボのヤゴ 

    2010年の年間確認数159頭(作業日平均2.65頭)→2011年の年間確認数795頭(作業日平均11.5頭)  4.4倍

   ・ホトケドジョウ

    2010年の年間確認数146頭(作業日平均2.43頭)→2011年の年間確認数598頭(作業日平均8.67頭)  3.5倍

    2013年は2012頭 (作業日平均28.34頭)その後は、やや減少した。

   ・ニホンアカガエルの卵塊数

        2010年39個 2011年56個 2012年101個 2013年136個 2014年213個と大きく増加した。

        その後アライグマの進入もあり減少傾向にあったが、2020年度には126個となり回復傾向になった。 

     

 ※開始当時から2014年10月までは、作業のたび毎に水生生物のモニタリングを行ったが、

  2014年10月の県立博物館の指導により、モニタリングによる水性生物へのダメージを考慮し、それ以降は、

  モニタリング回数を年数回に減らした。

 

 ③アメリカザリガニの食害を受ける水生植物の繁殖が観察されるようになった。

   2016年シャジクモ類が発芽生育するようになり、2019年には、マツバイが発芽生育するようになった。

 

環境全体を見ると、2009年作業開始当初の園内水辺は、「アメザリ色」と言われる、アメザリの排泄物で濁った黄土色の水辺だったが、

現在は、ホトケドジョウの姿やカワニナの動く姿が見られる澄んだ水辺になった。

 

駆除作業は重労働だが、2017年春以降、作業日の開始時1時間は、当日参加者全員でこの作業を行うことになったので、

平均作業人数は、開始当初から2016年までは、2.9人~3.9人だったが、2017年以降は5.4人~6.8人に増えている。

今後も水辺の変化に興味をもって、若いリーダーを中心にこの環境を見つめ保全し、周囲の方々に愛される緑地となることを願って

この活動を応援していきたい。

 

 

今後、このHPの外来種駆除にページは、引き継いでくださる若い方に委ねます。

HPを見てくださる皆様、今度とも応援してください。

そして開放日の黒川谷公園へ是非おいでください。お待ちしています。

(文責:2009年~2019年アメザリ駆除班隊長)

(データ更新 2024年4月8日)

 

 

 

 

 

 

 

 

4/28は、外来植物の除伐をしました。

園内では、今年もヤセウツボが生えてきました。ヤセウツボは、ヨーロッパ、北アフリカが原産の寄生植物です。マメ科のシロツメクサやムラサキツメクサなどを中心に、キク科やセリ科にも寄生します。根を宿主の根に食い込ませて養分を吸収します。外来生物法で、要注意外来生物に指定されました。4/28はポリタライ2杯分のヤセウツボを除伐しました。この日は、セイタカアワダチソウも抜き取りしました。


外来種の対策

現在、黒川谷ツ公園にいる、外来種のうち特に在来生物に悪影響を与えている以下の7種類について、積極的に駆除をおこなっています。

 

アメリカザリガニ

1927年、国内の食用ウシガエルの餌として、アメリカのミシシッピー州から移入されたものが、はじまりです。

アメリカザリガニは、いろいろな水生生物、水生植物などを食べるので、 在来種の減少や絶滅を招いてしまいます。

私たちは、2009年9月に、神奈川県立生命の星・地球博物館の指導により、黒川谷ツ公園内の「アメリカザリガニ駆除活動」を開始しました。

今日までの駆除総数は、45,612頭です。

でも、まだいます。

しかし、2010年には、15種類だったトンボが、今では31種類になったりカエルの卵塊が、39個から146個に増えたり、水辺の希少植物が初めて花を咲かせたり・・・・大きな変化が見られました。

この公園を訪れるお子さんたちが大きくなっても、黒川谷ツ公園に生息している生きもの達にふれられる「大切な場所」であり続けるようにと願いながら、活動をしています。 応援よろしくお願いします。


2018年4月のアメザリ駆除

・作業回数:7回

・駆除数:195匹

 (31ミリ以上:4  21~30ミリ:95  11~20ミリ:85  10ミリ以下:11 )

大きさは、アメザリの目の下から胸部の甲羅の端までです。

カエルのおたまじゃくし、ヤゴ、ドジョウ、カワニナなども確認できました。


・セイタカアワダチソウ

・イヌキクイモ

・オオブタクサ

・オオニシキソウ

・アメリカフウロ

・ヤセウツボ

黒川谷ツ公園内で繁茂しすぎると、他の在来生物の繁殖を阻害する恐れがあるものを駆除しています。外来生物の繁殖力は強力で、なかなか追いつかないのが現状ですが、時には、皆さんの協力もいただきながら、できるだけ、もともとの黒川の多様な生物を次代へ引き継ぎたいと思います。活動参加デーの企画もあります。

皆さんの大切なこの公園を一緒に守りましょう!


5月6日ヤセウツボの除草

ヤセウツボ花    ヤセウツボ根本      5/6に除草したもの

1937年に初めて千葉県で確認されたというヤセウツボ。牧草に紛れて入ってきたのでは?と言われています。マメ科、キク科、セリ科などに寄生し、その根から栄養を吸収します。牧草や農作物に寄生するとその成長を阻害するそうです。

公園内では2016年に初めてみつかりました。 対処法は抜き取り!です。この日もあちこちで見つかり、みんなで抜き取ったものは、バケツいっぱいになりました。繁殖力が強いので、種子の拡散防止のためビニール袋に詰め厳重に処理しました。